懺悔
そういえば、以前 大阪で写真を撮っていたときに会ったあの人はどうしたのだろう・・・
大阪のある路上でいつも寝転んでいて、そしてどういう訳か、いつも私の目の前にいた。それで、暫くして話をするようになり、写真を撮らせてもらうようになり、少しのお金を渡していたあの人。
生活保護をうけるための秘策など、ここでは書けないようなことも自慢げに話してくれて、そしていつも「パチンコだけは、したらあかん!」って言っていた人。
3年ほど毎週のように話をし、写真を撮らせてもらった。私の父親が肺がんを宣告させても平気で吸っていたロングピースを取り上げて、その人に少しずつ渡しながら写真を撮らせてもらったのも懐かしい。
何百枚も撮らせてもらったとき、ある雑誌のコンテストに出した。そしたら予想通り賞をもらった。自分では好きな写真ではなかったが、たぶん賞がもらえるような写真を送ったから・・。そして2万円もらった。
その人とそれを記念し、初めて喫茶店に入り祝杯をあげた。そして5,000円渡した。2万円もらったのに、、(私はケチである・・・)、そして、またどうでもいいような話をした(話を聞くふりをして、またたくさんの写真を撮った)。
それから暫くして、そんな写真を撮る自分が嫌になり、それまでのたくさんの写真をプリントし、一冊のアルバムにしてその人に渡した。喜んでくれた。
そして、またしばらくしてその人を路上で発見したとき、その人は、胸のポケットから私が渡した写真を出して見せてくれた(しわくちゃだったが、うれしかった)。そしてまた1,000円渡した。
いろいろ考えた・・・
そして、それから一年くらいして、あるパチンコ屋の隣にある公衆便所で私が用を足しているとき、偶然その人が私の隣で用をたしはじめた。
私の用が済んだのでそのまま外に出ようとしたら、その人は、まだ途中にもかかわらず、私を追いかけてきた。 ズボンは濡れていた。そして、1,000円欲しいというので渡した。
そのまま、パチンコ屋に入っていった。
私は、待った。またすぐに出てくるだろうから、たぶん写真は撮らないだろうけどいろいろ話でもしてみたかったから・・
1時間ほど待ったが出てこなかった。もしかしたら大きく勝っているのか・・・それとも・・・、中に入ってたしかめる勇気はなかった。
それ以来その人には会っていない。