遺影

3年前父親が他界した。それまでは入退院を繰り返していた父親を見に、毎週実家の名古屋まで通っていたのが、すーっと消えていった。

そして、その半年後に実家そのものが、消滅した。母親は兄に引き取られ東京に行った。名古屋のお墓も東京に移転していった。

それから半年くらいして母親も逝った。実家(借家)の片付けは私が担当した。30年住んだ記憶が一瞬に消えていった。

父親が大切にしていた「金魚」と「亀」だけが、我が家にやってきた。(その後、金魚はどんどん増え続けている・・)

東京の墓にはなかなか行けない。年に一・二回がいいところか・・・

父親が最後の入院をする日に、その家の前で母親とのツーショットの写真を撮った。なかなかいい感じで撮れた。

遺影にもなった。東京にも送った。我が家にも大きく引き伸ばして飾ってある。

お墓にも行けない親不孝な息子ではあるが、その写真を見ているだけで 何故か「コレでいいか・・」って思う。

それは写真歴20年の私が撮ったベストショットである。つくづく写真を撮っていて良かったなあって思っている。

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