ノイズ
今、デジタルカメラを使って写真を撮っている。
写真を撮り始めた頃は、フィルムだった。2006年からデジタルにしたから、ちょうど10年。
デジタルのカメラは、安くて便利できれいでいろんな機能がついていて、すごくありがたいのであるが、一つだけ・・「ノイズ」という問題がある。
フィルムのときは、フィルム自体を変えることにより、ISO感度、つまり明るさの調整をしていた。暗いところを撮るときはISO400、あるいは1600なんてフィルムを使用したこともあった。
そして、三脚を立ててしっかりとした風景を撮るときはISO 50 などという暗いフィルムを使っていた。(感度の低い、暗いフィルムの方が、きれいに粒子が細かく写ると信じられていた。でも、ブレるのでなかなか上手くは撮れないが・・)
しかし、今は、カメラの設定で簡単にISO 50 ~ 3200くらいまでは普通のカメラでも変更できるようになっている。
つまり、暗いところも明るいところも設定を変えるだけで、手持ちでどんな写真を撮ることもできる。
でも、それは、撮れるということだけであって、撮れたものには「ノイズ」というおまけが付いてくる。
大きく(A3くらい)に伸ばしてプリントすると、細かい線のようなものが出てしまう。それがノイズ。
何でも便利になるのはいいけど、そして、制限無く なんでもできるようになるのはいいけど、そういうものには、必ずといっていいほど、後から何かが現れる。
きっと、どんなモノにも、ある程度の制限は必要なのかもしれない。制限がきついほど、集中力も増し、そして自由な発想ができるのかもしれない。
なんでも、無制限にできてしまうこの時代には、人の感性というものの自由も失われていっているのかもしれない。
と、私のカメラのISO感度をいろいろ変更しながら思った。
私のカメラでは ISO感度を320以上にすると ノイズがはいることに気づいた。そして、今年撮った私の一番のお気に入りの写真にもノイズが入っていた。
でも、水を止めるには、シャッター速度が1/60 ~ 1/250 位は必要である。しかし、暗い谷の中で、その速度を出すには、感度を上げなければならない。そのところが難しいところであるが、面白いところでもある。
ということで、気に入ってはいるけど、ノイズのはいった失敗写真を恨めしそうに眺めながら、ゴミ箱にドラッグすることにした。